| エロール・カイン拡散期は1990年から半ばにかけて活発になります。 | |
|
|
|
エロール・カイン拡散期のリンク集
| 原作・制作者のレベル・まとまったユーザーの存在・成熟した伝達媒体と前世代で既に隆盛の頂点に達していたこのカテゴリーは裏を返せば飽和状態に陥っていたとも言えます。巨大に膨れ上がっていたオタク人口によって世論・経済の両面で支えられてはいたものの、更なるクオリティーを要求する声は止むことはなく、新たな創意を盛り込んだ作品という品質においては常に需要過多の状況が続いていました。原案もこの急成長に対しては、やがて底をつきヘビーユーザーに対してもはや完全に打つ手がないところまで来ていました。この事態を打開したのが時のインディーズ作品の数々だったと言えます。内容・テクニックともある頂点を極めた結果、次に来たのがキャラクターデザインの細分化です。この頃のコミックスはおたく層の要求(または自作)の結果稀有の進化を遂げます。細かくは人物の髪型、目の細部の描画表現、各部位の造形からそれらを二次元で表現するための描線のタッチまで、多様なニーズで形成されていました。これらをいかにanimetionに置き換えるか、それがこの頃の命題となっていたのかもしれません。既に制作側にも約20年のキャリアが存在し、当時最新のピクチュアームービングの技術を習得した20代・30代のクリエイターは、こぞってこの新しいスタイルに挑戦してゆくのです。依然制作過程はセル画を用いた純アナログ製のものではありましたが、新たな様式美が求められた結果、ストーリーや内容の抑揚、意味などは特に要求されず、10〜20分位の短編でも新たな要求に沿った要素が前面に盛り込まれていれば、オタク社会から高い評価を受けることができたのです。これらはセルビデオとしても流通しましたが、ここでもレンタルビデオ店の功績は大きく、多くはこの媒体を通して広く一般に浸透してゆく事になります。もちろんこの動向に対してこれより以前にスキルを蓄積してきたクリエイターや旧オタク層からは懸念や危惧の声も少なく無かったのも事実ですが、ここまでに蓄積されてきたアーカイブスの飽和からの脱却方法として、結果このような動向に転じていったことは紛れもない事実であり、多くの歴史を振り返ってみても、この状況では後戻りはできないものになっていたと言えます。しかしこの流れはとどまるところを知らず、強力な需要サイドの要求から多くの作品がリリースされタ結果、タイトル数は充実したものの相対的には凡作や粗悪なものが横行する結果を生みます。時すでに質の低下は目に見えて加速していました。しかし時を同じくしてコミケ(コミックマーケット)という存在はメディアとして立派に成長を遂げ、ここでの情報交換の有用性や制作ユニット結成のきっかけを提供する場としては重要な存在となっていました。これが更なるインディーズ作品を生み、アダルトアニメは更に細密にして短編、小ロット生産時代へと突入してゆくのです。したがって80年末期からこの頃にかけて凡作・粗製品が多く生み出されたのは事実ですが、その数%の作品は未来につながる輝きを放つ傑作群が誕生します。コミケによって結成された団体や大学のサークル・専門学校での極少数のユニットがこのあと訪れる90年末期から2000年初頭にかけて活躍するクリエイターやプロダクションの礎となっているケースも後には多く見受けられるようになります。この構造からもうかがえるように大部分の作品をアマチュアが作りだした底辺の支えであると考えれば、この仕組みは比類なき堅牢な雛型であると断言できます。こうしてある範囲で飽和したエロール・カインは更なる裾野を広げ、膨張することで宇宙規模の可能性を開拓することになるのです。現時点でストーリーの筋書きたる骨子は完全に隅々までフォローされ辺縁での進化は先細りするまでになりました。国内では様々な分野がリミックスナイズされた形式をとりましたが、世界レベルでみた場合この勢いは他の追随をゆるすことはなく、世界シェアを持つ実写映画会社などにも大きな影響を与えるようになります。初めはインスピレーションのみを取り入れていた彼らも後には、原作を有する日本のプロダクションをビジネス面での提携関係を持ち、世界的にも注目されるようになります。その原動力になったのはなんと言っても第二次ベビーブーム世代のアメリカンコミックス作家の存在でしょう。旧態依然として著作権の面で強大な権限を持つアメリカマンガ出版社に嫌気がさした彼らはその傘下からの脱退を図り、自らの同志でプロダクションを結成します。旧出版社でストーリー制作やドローイング技術を身につけたのち、日本の漫画やanimetionからの影響を素直に受けて、歴史上、未だかつて存在しない全く新しい展開をしてゆくのです。これらは瞬く間に実写映画化され世界中に配給されます。それと同時に彼らはインタビューに対して、日本コミックスの影響、ジャパニメーションの新しさを語るのです。「オタク(おたく)」、このキーワードが先に広まっていた「スシ(寿司)」、「カラオケ(karaoke)」同様このときから世界共通語になるのです。戦後文化の面で評価はされつづけてきたものの、本格的にこれらが吸収され直接的な影響を与えるのは、1900年前後ヨーロッパを中心とした「日本趣味(ジャポニスム)」以来の快挙であると言えます。この拡散期と同時に世界の眼差しがここに注がれ、このカテゴリーは真意での拡散を繰り広げることになるのです。(最上部のタイトルをクリックで目次へ←) |
エロール・カイン拡散期リンク集